レンタル×マギカについて。
 夜を歪める怪異。その解消のために、魔術師派遣を生業とする人たちのお話です。
 この怪異の顕れた夜をマギナイト、怪異そのものを呪波汚染といったりします。

 トップに飾ってある絵をこのあたりに。
   アディリシアさん1    

†魔術言語について
 ゲーティアの首領、アディリシアさんのスペルには、Thouとか出てきます/これは古英語/祈願表現の場合は動詞の語尾を-stにしますね/なかなか難しい
 さて、西洋魔術の成立はもちろんメソポタミア、エジプトにまで遡ります/染色に冶金、ガラス製造など、当時魔術とは先端科学のこと/ソロモンはイスラエルの王だからヘブライの言葉/アルファベットから入らないといけない/あきらめました/英語でいいよね
 ヘブライのアルファベットは二つ三つ、数学の集合論なんかで使いますね/本質とは遠いところで労力つかってます/

†ソロモン王について
 アディリシアさんはソロモンの血を継ぐもの/ということはソロモンがどんな魔術を使役したのか知る必要があると思いました/ソロモンは鉄と真鍮で出来た指輪を使い鉄の力で悪魔を、真鍮の力で天使を使役したとあります/同人にどういかせばいいのやら…人外のものってあんま描きたくないです/設定とか難しいから/既出の魔神は話が原作とかぶるだろうし…未出の魔神なんか出せるわけもない(そんな怖いもの知らずなこと出来ない)/北海道の魔神ディレクターさんとかひょっと過ぎったけど…/

†パスについて
 パスってのが出てきます/意識をつなぐ…厳密には違うかもしれない/同人上では感覚の共有ってことにして/…ま、そういうことです(ジオなんで詳しくは書けません)/産業革命後の西洋魔術は、物質的の議論を脱却して、非言語における概念や理論の探求に変質したそうです/その意味でパスは今現在において、もっとも魔術の匂いを残すものかもしれません/

†描線について
 手とか足とか、難しいです/前に突き出した感じとかなかなか出せません/自分の体とかまったく参考になりません/参考になったとしたらしたで、やな同人だよな…/輪郭とっても何もわからない/リアルはリアルのはずなのに/なんか美しさに欠ける…

†レンタルマギカ from Solomonについて
 レンマギSolomon二冊読みました/マルチメディア展開/原作が別のところにある漫画って、どうしても殺気の無いものとか多くて(それはそれで)/でもこれは違います/奥行きのあるカット、意味のはっきりしたコマ/丁寧な業物だと思います/キャラも魅力的だし/僕にはとっても勉強になります/

†ツンデレについて
 アディリシアさんは/ツンデレのようでいて/蓋空けてみたら/デレ多めどころか/デレばっか/「別に不快ではありませんでしたけど…」/近寄り難いほどの覚悟が見えるのに/一朝その思慕に触れたなら/そのまま舞い上がって思考が停止/いいと思います//今度はラーメンだけでなく丼ぶりもやっつけてほしいものです/動くアディリシアさんをめっきり見ないので/寂しいです/
 あんまり寂しかったので昔々のゲム、コメットサマナーをリインストール/主人公ウィッチさんがアディリシアさんに似てるので…/

†同人設定について
 ソロモンの魔神七十二柱のうちにウァサゴがいます/名前以外はソロモン王の原書にも語られていません/同人上この魔神に活躍してもらおうと考えました/描かなくていいしね/知識は魔術の源泉であり、グリモアは知識の潮流であります/隠しの書庫には秘所たるべく、グリモア守護の魔神を配するのは自然だろうと/ソロモン王との契約は知恵の守護/知恵はついに滅びず/ゆえに裔たる首領は、王の契約そのままに更新無くしてこの魔神を使役する/実体の知れないのはこの魔神が召喚の儀式には与らないから/さて、アディリシアさんは、イツキ経由の依頼である書籍を探しに地下の書庫へ降りてゆきます/歩むごとに増す暗がりに「Wes loeht(たぶん古英語で、光あれ)」と唱える/いわば魔神の中で魔術を発動します/無論ゲーティア支部の地下は問題など起こらぬように万全の手立てが据えられているでしょう/星霜を経るというのはそういうこと/しかし魔神の召喚は当主とその直系だけに許される事柄/予防策には限界があります/
 魔術とはつまるところ意識の発露/効果効能は意識上に稠密に描かれ、それを現実世界に発露させんがために定めの術式を刻み穿つ/そこには発動結果の認識がついて回るはず/異種魔法格闘の場合はそこで区切りがつくでしょう/しかし、肉体の無い王の意思は魔神の契約にのみ生きているわけですから/その発露は王の認識を待たない/そして宙に浮くことになります/これは同人上「魔法の暴走」の描写を許すのではないか(といったことを紙面だけで読者に判ってもらうのは、いくらなんでも苦しすぎます)
 敢えて強行して続けましょう/物語が意図した展開を歩むために必要な条件は/アストラルからの依頼を通してイツキ社長とアディリシアさんの間にパスが繋がること/魔法が暴走すること/その暴走に対して(ある程度の時間を挟んで)穂波や猫屋敷さんが対応可能なこと/
 一方、物語の原動力とは敵役/トラブルの原因となるもの/この場合は「ある書籍」です/ここで、解くべき問題がいくつかあります
 この書籍が依頼に値するものである理由は何か/どうしてその依頼が直接ゲーティアに来ずアストラルを経由したのか/書籍が重要なら何故日本支部に保管されているのか/不測の事態があるかもしれない書庫でアディリシアさんはどうして魔術を発動したのか/結界が張られているであろう地下書庫で起きた魔術暴走を、アストラルの面々が感知できるのはなぜか/

 まず書籍の設定を練ってみましょう/十九世紀半ばごろから欧米で交霊術などのオカルトブームが起こります/日進月歩の科学に対する反動だとされています/富豪や貴族たちは、帝国の政府を巻き込み探検家や商船を派遣して海外のマジックアイテムを買いあさります/交霊術に必要な「特別な」何かの正体は、捏造アイテムや発掘文化財でした/その中には本の類もあったでしょう/真贋の狂乱の中から魔術の手法によって科学の新境地に到達しようとする学者集団が現れます/オリエントの古文書などの再評価が僅かになされ/そのなかの幾つかの研究は心理学や集合論、確率概念といったところに到達し/同時に文化財は帝国の威信のために政府の管理に置かれます/
 しかし貴族であるメイザース家の保有する膨大な資料は手付かずのままであったでしょう/大憲章の下に、貴族の所有権はジョン王以来保護を受けているのです//知識の体系であるメイザースの蔵書は「特別な」意味を持っていたことでしょう/ヘブライの古典には「神は、ソロモンが知恵を欲したことをよろこばれ、全能を授けた」とあるからです/ゆえにソロモンの遺志として、拡張していくことも(蔵書を保全するのみならず)当主の務めであったでしょう//
 当時最新のトピックスは/ラザフォードの発見に始まる原子理論でした//多くの才俊がその心血を注ぎましたが、オーストリアの科学者エーレンハフトも例外ではありません/彼は厳密な観測の元に副電子の理論を展開しました/しかし副電子は受け入れられず彼の名は科学史から消えることになります/科学の手法に依拠しながら科学の名を与えられなかったその知識は魔術の書として大変魅力的です/当時のゲーティアがそれを入手するのは不自然なことではないでしょう/